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§5:判断の基準

_法文を読むだけでも、それが果たして何を云っているのかが分かり辛く、尚且つ私の解釈も釈然としないだろう。私が考え得るに、六法全書とやらはマニュアルの様であり同時に字引の様でもある。私は、法律の専門家でもなければ法学部出身でもない。また、法律に関する教科の単位も履修していない。全てがゼロなのである。
_確かに、就職試験対策として、憲法、民法、労働三法程度はやっておいた。法学も適当である。この文章は、さしずめ法律学の範疇になるが、正直に白状すると法律学は全く手を付けたことがない。また、経済学部出身にも拘わらず、商法は食わず嫌いでさっぱり手を付けていない。学生時代は、経済学(ケンブリッジ学派)と云う純学問的なことしか興味がなく、法律の知識はさしずめ夾雑物として、学習の必要がないと判断していたことは事実である。

1:方法論の提示】

_この文章を作成する際に、私が用いた方法論は経済社会学のものである。法律を云々するときに、どの様な学説や方法論が用いられるかは知らない。少なくとも、法律を考えるとき、方法論の原典となるものはアストテレスやプラトンの哲学思想に求めることができる。また、方法論の雛形となるものを判例に求めることができる。
_問題は、原論となるものが見当たらない。恐らくヴィーン学派の書であろう。もしかしたら六法書なのかも知れない。ただ、分かることは、初歩的な法律の知識があれば十分であり、加えて、効力を有している法律を解釈・運用するにあたり学術的な手法を用いてはならないことである。
_法律について、分からないことがあれば小六法と云う字引を引くか、或いは弁護士と云う専門家に相談するかして、ゆっくりとした速度で公正且つ適切な判断を求めれば良い。また、立法や法律の解釈・運用に関する実例を、我々は新聞やテレビジョンを通じて学習すれば良い。昨今はインターネットもそうである。そうすることにより、法律と云う理法を如何に捉え、またその解釈・運用を如何に為せば良いか、その答えが自ずと導き出せるのである。係る行動様式は少々危険かも知れないが、私は自己の責任に於いてその様に信じる。
_以降も同様に、社会経済学の方法論を利用して論を進めるが、ここで用語の説明をしておく。
_第一に「理念」とは[idea]のことであり、方法論ないし推論を導出する考え方そのものである。すなわち、個人の経験則や知識を帰納する際に用いる論理エンジンである。コンピュータに例えればOSである。
_第二に「理念系」とは[model]のことであり、物事を様々の範疇に弁別する際に用いる雛形である。すなわち、集合がそうであるし、チャートや同心円等の図形を用いることが一般的である。コンピュータに例えればAPIやGUIである。但し、私の場合は、弁証法を用いるので図形による理念系は一切提示しない。提示しないと云うよりも提示してはならないのであり、理念系は全て言葉(スクリプト)に基づいて表現する。上部構造(下部構造)等と云う語彙は理念系を言葉で表現したものである。

2:著作権法】

_ふと気付いたことだが、私は著作権と云うものを遵守しなければならない。六法書は昭和56年度版の「岩波・基本六法」を用いて条文を引用した。また、その他の書物からも多くの文章を引用した。しかしながら、「知恵蔵」や「平凡社百科事典」からは相当に断片的な引用となっている。説明されている文章が相当に長いからとは云え、これでは著作人格権(第2款)の内にある同一性保護権に反するかも知れない。断片的であるが故に、文脈が著者のものではなく私のものになってしまうのである。あわよくば、「知恵蔵」や「百科事典」は、語句や事実を説明した字引であるから、第20条第2号[3]を準用できるかも知れない。私は、自分の行動に対して些かも自信がない。よって、同法第13条(権利の目的とならない著作物)と第5款(著作権の制限)を参照しておこう。

●著作権法:第32条(5款)
_公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。

_・・・とある。第13条は説明を省略するが、ポイントとなる言葉は「公正な慣行」と「正当な範囲内」である。しかし、その言葉の実体を掴むことはなかなか難しい。更に、「転載」と「引用」及び「複写」の違いも考えねばならない。ここまで来ると、論理的解釈や弁証法的契機等は度外視して考え、専ら自らの悟性に基づく判断が必要になると思う。同時に、分からないことは聞いておくと云う行動も必要である。

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